2008年08月31日
国際色あふれる宴
第139回芥川・直木賞の贈呈式が22日、東京・丸の内の東京会館で行われた!「時が滲(にじ)む朝」で、中国籍の作家としては初めて芥川賞に輝いた楊逸(ヤン・イー)さん、「切羽(きりは)へ」で直木賞を受賞した井上荒野(あれの)さんに、記念品と副賞100万円が手渡された!
会場には約1150人が詰めかけて2人を祝福!
中国メディアの姿も目立つ国際色あふれる宴になった!
■芥川賞選考委員、池澤夏樹氏の話
楊逸さん、おめでとうございます!
日本と中国はとても近いように思えますが、中国語と日本語は全く違います!
フランス語とアラビア語ほどに違う!
それほどの違いを乗り越えて芥川賞をとったというのはすごいことです!
前作「ワンちゃん」を読んで感心しました!
今の日本と中国が巧みに描写されていて、たくさんの人がしっかりと書き分けられていた!
今の日本文学にないものがぎっしり詰まっていた!
書きたいものがたくさんおありになり、まだまだお書きになるだろう…!
そういうことを前回の選評で言ったと思います!
それから半年で次のものを書いた!
それも「ワンちゃん」とは全く違うもので、とても驚きました!
今回は天安門事件を背景にした今の日本にはない熱さ、熱気をはらんだ話です!
もう僕たちは持っていないけれど、かつてはあったなあ、というもの!
楊さんは他の国から来て、何かを運んできてくれた!
その手渡しの仕方が小説だった!
文化には純血というものはない、と改めて感じました!
授賞に至った理由は、まだまだ書いてくれるだろう、ということ!
洗練とは違い、太い筆でぐいぐい書いたような力がある!
これからどうなるか見てみたい!
思えば、芥川龍之介は中国の古典に材を取って「杜子春(とししゅん)」という作品を書きました!
芥川賞にふさわしい作品を選ぶことができて、(選考委員として)とてもうれしいです!
■楊逸さん(芥川賞)の言葉
《青いドレス姿!
少し緊張した面持ちで登壇する》
昨夜から緊張と喜び、感激とさまざまな感情が入りまじり、つい先ほどまでその整理作業をしていました!
紙に書いたものを読ませていただきます!
《会場が笑いに包まれる》
「作家」というのは、かっこよくてあこがれの名詞です!
でも使うのはもったいない!
代わりに“文筆職人”という言葉を自分で作りました!
これで、華やかな1カ月に区切りをつけて、いつもの孤独に戻り“文筆職人”専業としてやっていきたいと思います!
みなさま、ありがとうございました!
一人の外国人として、日本語で書けるのは、すごい幸せです!
■直木賞選考委員、林真理子さんの話
直木賞には2つの役割があると聞いたことがあります!
一つは、これが文学だ、と世の中にアピールすること!
もう一つは、作品の魅力を読み解いて作者を後押しすることです!
井上さんの(受賞作)は後押しの必要もないオーソドックスな作品!
文章の力をあらためて教えてくれました!
男と女が出会い、手も握らずに別れていく…!
恋愛小説にとって性愛のシーンは心臓部にあたるものだが、それを取っ払った!
恋愛小説を書くものとして嫉妬(しっと)さえ覚えました!
今後も「切羽へ」と同じように新しいサムシングを与えてくれるものと期待しています!
■井上荒野さん(直木賞)の言葉
《チャコールグレーのドレス姿!
堂々とした足取りで登壇する》
直木賞をいただいて本当にうれしい!
でもちょっと釈然としないところもあります!
「切羽へ」はすごく気に入っている作品ですが、ほかにも気に入っている作品はあります!
でも、なかなか部数を出してもらえない!
今回はすごい部数を出してもらって、なんだか釈然としない!
《会場が笑いに包まれる》
私は10年くらい書けない時期がありました!
7年くらい前に2作目を出してそれから書けるようになった!
書けるようになった、ということが自分にはとても重要!
だから直木賞は達成点ではなくて、通過点にしたい!
すごく幸せな通過点ですけれど!
父(作家の井上光晴)は亡くなる前に「もう荒野ちゃんは大丈夫だよ!
書いていけるよ!
時々駄作を書くかもしれないけれど…」と言ってくれました!
時々駄作を書くかも…と言うのが父らしいのですが!
これからも駄作を書くかもしれないけれど、次はもっといいものを書く!
そういう気持ちで書いていきたい!
《メディアの写真撮影に応じた後、壇上から降りた2人!
直接お祝いの言葉を伝えようと関係者らの長い列ができた》
生キャラメルの作り方


